【コラム】BALMUDA Phoneがこれから対峙する課題 トースターのような勝機はあるか?

コラム
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高級トースターなどの家電で知られるBALMUDAが、ついに予告していたスマホを発表しました。発表の詳細は既に多くのメディアが記事にしていますので、当サイトでは書きません(スペックをご覧になりたい方はこちらをどうぞ)。
ここではコラムとして、BALMUDA Phoneがこれから対峙するであろう課題と、それを含めた勝機について考えます。

BALMUDA Phoneのスペック

OSAndroid 11
SoCQualcomm® Snapdragon™765 5G
RAM6GB
ストレージ128GB
ディスプレイ約4.9インチ/フルHD TFT-LCD (1920×1080ドット、454(H)x449(V)ppi
メインカメラ約4,800万画素(最大記録画素数1,200万画素)F値1.8
フロントカメラ約800万画素、F値2.0
バッテリー2,500mAh(USB PD3.0/ワイヤレス充電対応)
サイズ約69 × 123 × 13.7mm
重量約138g
その他IPX4、FeliCa(おサイフケータイ)対応、背面指紋認証
SIMフリー版(オープンマーケット版)価格104,800円

ターゲット層を考える

語る上で立場を明確にしておきたいのは、個性的なスマホや、役に立たないだろうという製品が出てくること自体は歓迎している、ということです。好きに売ってくれればいいですし、買う方も好きなのを買えばいいのです。あくまで個人の好みなので。
その上で、どんな困難が待ち受けているかということを考え、バルミューダがどうやって対処していくのかを楽しみにしています。今回は、考えを表明しておこうというのが主旨です。

まず、BALMUDA Phoneのターゲット層から考えます。初めての製品でありながらキャリア(Softbank)で取り扱われること、他のBALMUDA製品と同じくデザインに注力して作られていることなどを考えると、「デジタルには詳しくなく、ひとよりワンランク上の上質な生活・体験がしたい人」だと考えました。また、一般的に「トクするプログラム」などの端末を返却して残債0にできるプログラムの返却想定期間が24ヶ月であることから、想定標準使用期間は2年間とします。
スペックにこだわった家電は、PanasonicでもHITACHIでも(例えば炊飯器なら〇〇圧力釜やn面IHなど)ありますが、それら既存の家電メーカーの製品とBALMUDAの製品の決定的な違いがデザインです。個人的には、バルミューダの家電を買う人は、買うことによって美味しいごはんが食べられたりする体験も大きな要因の1つですが、モダンなデザインもBALMUDAを選ぶ理由で上位に入ると思います。単に機能だけにこだわった製品なら、アイリスオーヤマですら作っていますしね。
そしてBALMUDA Phoneも例によってデザインにこだわっています。というか他のスマホとの一番の違いはデザインです。むしろデザイン以外の違いはほぼ無いと言ってもいいくらいです。

物理的スペックの話

さて、スペック表を見て、ガジェットに詳しい人ならひと目で「スペックの割に高いな」を思うでしょう。Snapdragon 765は2019年12月に発表されたSoCです。既に後継のプロセッサもリリースされ、それを搭載したスマホも世に出ています。まぁ、それでもSnapdragon 7シリーズなら性能不足で困ることは無いでしょう。腐っても700番代なので。
RAM6GB/ROM128GBというのも、まぁまぁ妥当というか、BALMUDA Phoneのターゲットであろう層を考えれば必要十分でしょう。

ただし、「直線が一箇所もない」デザインを採用したことで、ベゼルが太いのに大きなパンチホールが生まれ、バッテリーは2,500mAhという少なさ。これがiOS端末なら、特段大きな問題ではなかったでしょう。OSはもとより、プロセッサまで自社開発で、究極に最適化されていますからね。実際iPhone SE(第2世代)のバッテリー容量は1,821mAhです。しかしAndroid端末となると話は別で、どうやってもAppleのようには最適化できませんから、それがバッテリー持ちに影響します。もともとの容量が少ないと、何度も充放電を繰り返してバッテリーがヘタってきたときに、よりバッテリー容量の小ささに悩まされることになるはずです。
もちろん実機を触ってみないとバッテリー持ちは分からないので、もしかするとOSにすごい改造がされててめちゃくちゃバッテリー持つのかもしれないですが、それは考えにくい。
なぜかというと、他メディアの報道で「独自アプリにお金がかかった」などという社長の言葉が書かれていたところを見る限り、OSを独自に改造するほどの開発を行えば、アプリなんて比じゃないくらいお金がかかるはずです。
もしOSをイジっているとしても、Androidスマホは最適化しづらくて全体的にバッテリー持ちが悪い傾向にありますし、バッテリー持ちを良くしようとすると今度は通知が遅れたりします。

独自アプリは将来の負債か

先述の通り、アプリ開発に予算を割いたBALMUDA Phone。発売時の独自アプリはスケジューラー、メモ、時計、電卓、ホームの5アプリです。発売時は思い通りに動くでしょうが、これからOSアップデートやセキュリティアップデートが待ち受けています。私が一番の課題だと思うのはこのポイントです。過去、トリニティのNuAnsシリーズでありましたが、アップデートで行き詰まる可能性が一番の懸念です。
スマホではハードウェアと同じくらいソフトウェアが重要です。恐らくBALMUDAの寺尾社長もそれを理解し、独自アプリを作ったのでしょう。しかし、年に一回大きなOSアップデートが到来し、1ヶ月ごとにセキュリティアップデートがあり、対応しなければセキュリティリスクがあります。
SoftBankでも販売されるため、キャリアからのフォローも得られるのかもしれませんが、とはいえハードの製造すら京セラに委託しているところが、しっかりアップデートしてくれるのかは未知数です。

これからのアップデート対応に注目

長々と書いてしまいましたが、ハード的に割高だという以前にこれからのアップデートが一番気になります。圧倒的にiPhoneのシェアが高い日本で、ブランド力があるとはいえ異業種からの参入であるBALMUDAが、アップデートを提供する体力があるのかどうか。iPhoneなら全端末に一斉にアップデートが来て、アップデートの期間も圧倒的に長いです。そんなスマホに慣れている人の多くは、乗り換えるのはバッテリーがヘタってきたり、性能不足を感じた時でしょう。
日本のスマホの出荷台数は多く、マーケット自体が大きいです(年数千万台)。またBALMUDA Phoneは10万円超えと高いこともあり、1万台売れればそれだけで1億840万円の売上になります。そういう意味では、それほど損益分岐点のはハードルは高くないのかもしれませんが、それはあくまで売上の話。アップデートが遅い・不具合が発生するなど評判が悪ければ、いくら黒字だろうと代を重ねるのは難しくなります。

バルミューダのスマホ(ハイテク製品)が、しっかりアップデートに対応できるのか。注目です。

参考情報

    • ・スペック|BALMUDA Technologies –
スペック|BALMUDA Phone|BALMUDA Technologies
BALMUDA Phoneの製品仕様、各サービスのご紹介。

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